思っていたのだが

購入しようとするパンツを見て、
「わあ、ステキやねえ。これ、すごくおしゃれ。こんなの、どこにありました?」
と彼女。
たんにお世辞で、世間話、時間つぶしで言っていると思っていたのだが、延々と、そのパンツを触って、
「こんなのが、いいわ」と言い出す。
わたしは、お譲りするつもりもなんにもないし、自分が買うつもりなので、
「あ、そうですか。これ、イタリア製です」と、めんどくさそうに付け加えておいた。(イヤミですね)

さらに時間制限に拍車がかかり、もうひとつのジャージーっぽいカジュアルな上着も、ぽいっとレジに追加した。
「わあ、・・・すごい、ステキな・・・どこにありました?」
「あ、これね。これもイタリア製です。シルエットがキレイなんです」

「上手に見つけられますねえ。どうやって見つけるんですか? そんなのがあるって、まったく、わからなかったわ。
わたし、主婦だし。家にはいっぱい服、あるんですよ(うんぬんかんぬん)」

主婦って、関係あるのかな~?と不思議に思ったが、
もう、視界の向こうに夫がいる。はやくしなければ。

いちいちめんどうくさい人だなあ、どうでもいいや、と、なかば、わたしは、やけっぱち。
「わたし、ここではいつもイタリア製を買ってます」と、大嘘、大見栄を言い放って
わたしは時間に押され、ふーふー言いながら、店を後にした。

家に帰ってようく見てみれば、イタリアの生地を使っているはずなのだが、日本製と書いてあった。
まあ、日本製ってことは、良品ってことだし、まあいいか。
PR